わがままな純愛 ケイレブとユリア
バタン

マギーは、何事もなかったようにそのまま、ドアを閉めて、立ち去った。

ガタガタ・・ガタガタ
立ち去る馬車の、輪だちの音が
聞こえる。

「ああ、まったく・・・」

ケイレブは息を吐いて、
放心状態でつっ立っていた。

すごいタイミングで、
守護怪獣は、参上するものだ。

天使も、扉に背中をつけて、
もたれるように立っていた。

そうだ・・続きを・・!!

ケイレブは、ワインを一気飲みした。
自分の分と天使の分で、2杯。
それから、三段跳びの勢いで、
天使の前に立った。

その時だった。

うつむき加減だった、天使の顔が上げられた。

「取引に・・同意します。
私には、あなたが必要です」

エメラルドの瞳の美しい天使は、
地上に、俺の元に降り立ったのだ。

その言葉に、
ケイレブの緊張が、一気に抜けた。

座り込みたくなるくらいだったが、何とか踏ん張った。

「うん、うん、よかったです。
一緒にやりましょう」

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