わがままな純愛 ケイレブとユリア
しかも、ケイレブは
このチャンスを逃さなかった。

「契約には、特約事項として、
1日キスは、3回以上という、
条項を入れたいのですが、どうですか?」

声が上ずっているのが、自分でもわかる。
あせるな、と思っても、心は止められなかった。

「その・・もちろん、時期を見て、婚約という形で・・・」

天使は、その瞳を伏せていたが
小さくうなずいた。

「誓いのキスを・・したい・・」
ケイレブの指は、天使のあごに軽く触れた。

「俺を信じて・・俺を愛して・・」

その唇は、柔らかく溶けてしまいそうで・・・

ケイレブの舌先が、その唇に触れた時だった。
天使に緊張が走ったのが、わかった。

おめぇ、酒くせぇぞ・・

守護怪獣の声が、
ケイレブの耳元で響いた。

「ごめん・・・俺、酒臭い・・」
ケイレブは、うろたえた。

天使は完全に、うつむいてしまった。
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