先輩からの卒業 -after story-




「あ、そうだ。巧くん私の部屋行きます?この前、苺屋家具のベッドとマットレスがどんなのか見たいって言ってましたよね」

巧くんは今、一人暮らしに向けて準備を進めている最中。

ベッドは新調予定で、今度お店に見に行くらしい。

その中で気になっていたというのが苺屋家具。

ちょうど今、私が使っているものだ。



「えっ……あー。あとでいいよ。この番組観たいし」

巧くんはそう言うと視線を私からテレビの方へと移す。


「そう……ですか?わかりました」

テレビを観ている様子なんて一切なかったけど。

まぁ、巧くんがそう言うならいいか。


お兄ちゃんがお風呂からあがったあと、借りてきたDVDを観ながら3人仲良くアイスを食べる。

そうこうしていると時刻はあっという間に0時を回っていた。


お兄ちゃんと巧くんはリビングに布団を敷き、夜通しゲームをすると決めていたらしく、2人で何をプレイするか話し合っている。

「私、先に寝ますね」

「え、奈子はやんないの?」

「私は大丈夫です」

昼間も散々ゲームをして、もう目が疲れた。

それに、ここで3人雑魚寝というわけにもいかないし。



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