先輩からの卒業 -after story-
着替えるために一旦、部屋へと戻った奈子。
そして、数分後。
背後から「巧くん」と俺を呼ぶ声がした。
振り向くと、部屋着から真新しいスーツへと見を包んだ奈子の姿が。
髪は後ろでひとつにまとめられている。
……確かに、スーツだといつもと違って見えて新鮮だな。
さっき、一度写真で見たっていうのに。
「ど、どう?」
「似合ってるよ。ドキッとした」
「え〜それ本当?」
そう言いながら奈子が笑う。
本音なんだけど。
「あ、そうだ!一緒に写真撮ろうよ」
「そうだな」
初めて会った時はセーラー服を着ていた少女が今やすっかり大人の女性だ。
その姿にまた惚れ直したのはここだけの話。
(あの日のことは今でも鮮明に)
fin.