先輩からの卒業 -after story-
そして、2時間後。
テーブルの上に散乱するお酒の空き缶とビン。
さっき片付けたばかりなのに。
「巧ぃ〜次なに飲む〜?」
「俺〜この赤いやつ〜」
言うまでもなく、2人は完全に出来上がっていた。
あれほど飲みすぎないようにって言ったのに。
「今日はもう終わり。片付けはいいから2人とも早く寝て」
「え〜奈子もまだ飲めるだろ〜?」
「そりゃあ、私が飲んでるのはジュースだからね。ほら、お水」
酔っぱらい2人に水を渡すと渋々口へと運ぶ。
私はその隙に、残っていたお酒を回収して1階のリビングへ下りた。
あの様子じゃあ明日のデートはなしかな。
でも、家でゆっくりするのもいいよね。
もう一度、お兄ちゃんの部屋に戻ると2人は仲良く眠りについていた。
私は2人を起こさないように、食べかけのおつまみやお皿をトレーに乗せ再び1階へと下りる。
「洗い物したら私も寝よう」
度々出る大きなあくびを飲み込み、シンクに溜まっていたお皿やコップを一つずつ丁寧に洗う。
来年は私もあんな風になるのだろうか……。
気をつけないと。
「よし、これで終わり。あ、歯磨かなくちゃ」
キッチンでの作業を終え、電気消すと廊下にうっすらと感じる気配。