しらすの彼
「若いって、武器よねー。でもそんな武器使えるの今だけよ? 誘われて浮かれているんでしょうけれど、じらすのもほどほどにね」
言うだけ言うと、二人はくすくす笑いながら印刷室へと入っていった。
「あの二人、自分たちが小野先生に誘われないのが気にいらないのよ。気にしちゃだめよ」
今井先生が眉をしかめて言ってくれた。
たしかに小野先生は、背が高くてモデル並みのスタイルしているし顔もいい。空手だか柔道だかをやっていて、全国で何位だったかになったことがあるとも言っていた。話もうまくてまとめる力もあるから、沢田先生たちにとっては魅力的な男性なのだろう。もてるのもわかる。
でも私は、あの強引さが少し苦手だ。こちらの話を聞いているようでいて、結局は自分の意見に丸め込んでしまう。
小野先生も、なにも私に声かけなくても彼女たちだったら喜んで食事してくれるだろうに。
「はい、お先に失礼します」
私はバッグを持つと、今井先生にぺこりと挨拶した。
「お疲れ!」
小野先生が戻ってこないうちに、急いで帰ろう。
☆
言うだけ言うと、二人はくすくす笑いながら印刷室へと入っていった。
「あの二人、自分たちが小野先生に誘われないのが気にいらないのよ。気にしちゃだめよ」
今井先生が眉をしかめて言ってくれた。
たしかに小野先生は、背が高くてモデル並みのスタイルしているし顔もいい。空手だか柔道だかをやっていて、全国で何位だったかになったことがあるとも言っていた。話もうまくてまとめる力もあるから、沢田先生たちにとっては魅力的な男性なのだろう。もてるのもわかる。
でも私は、あの強引さが少し苦手だ。こちらの話を聞いているようでいて、結局は自分の意見に丸め込んでしまう。
小野先生も、なにも私に声かけなくても彼女たちだったら喜んで食事してくれるだろうに。
「はい、お先に失礼します」
私はバッグを持つと、今井先生にぺこりと挨拶した。
「お疲れ!」
小野先生が戻ってこないうちに、急いで帰ろう。
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