夢見るだけじゃ終われない 〜恋と令嬢とカクテルと〜
俺は隣で眠っている茉莉の髪をそっと撫でる。
一緒に果てたその瞬間、思わずこぼれた「好きだよ」の言葉。
あれが俺の本心だ。
機内で出会ってまだほんの2日。
それでも惹かれてしまったのだからしょうがない。
「茉莉、好きだ……恋人になって」
俺の言葉など聞こえるはずもない彼女に向かって呟いてみる。
いくら言葉に出したって、茉莉が結婚してしまえば意味がない。
「……うん、決めた」
もう迷いは無い。
彼女を崖っぷちの状態から救い出すために、そして自分のものにするために……
俺は使える武器をすべて使おうと、心に誓った。