夢見るだけじゃ終われない 〜恋と令嬢とカクテルと〜

 もう悩むことはない。
 恋人として、心が欲するままに求め合う。

 最奥まで貫かれ揺さぶられ、愛する人と結ばれる喜びを実感する。

「あっ、ああっ!」
「茉莉、大丈夫?」
「大丈夫……っ。ただ胸がいっぱいで苦しいだけ」

「だったら俺と一緒だね。嬉し過ぎて胸がいっぱいだ……これからもっと気持ちよくなろう」
「やっ、あんっ、ああっ!」

 ――あの日、ニューヨークに行ってよかった。

 隣に座ったのが悠でよかった。
 ホテルで再会できてよかった。

 好きになって、好きになってもらえて、結ばれることができてよかった……

「茉莉、ほかごとを考えてちゃ駄目だよ。ちゃんと感じて」
「ちゃんと感じて……る……あっ」

 動きを激しくした悠にあっという間に高みに昇らされ、同時に達した私たちはキツく抱きしめ合いながら、深い眠りに落ちたのだった。
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