クールな自称保護者様も燃える恋情は消せないようです
涙が止まらなかった。
どれだけ泣いただろう。
ボヤ騒ぎでくたくただった。ひとしきり泣いたら急激に眠くなってきた。

がちゃ。

まどろむ意識の中で、驚くお兄ちゃんの声が聞こえた。

「こんなところで寝るな。ベッドに横になれ」
「んん……」

まだこうして意識はあったけれど、眠ったふりをして甘えたかった。

「しかたないな」

ふわり、と一瞬重力を失った。
煙で意識が朦朧としていた時に抱きかかえられた、あの軽やかさと安心感が甦る。

「重……」

と、失礼なことをぼやく。けれど実際は軽々と私を抱きかかえている。
衣服ごしに伝わってくるお兄ちゃんの固い身体。
寝ぼけたふりをして、ゴチンとおでこを当てた。

大好き。

神様、ありがとう。
またお兄ちゃんに会えるなんて思いもよらなかった。
やっぱり私、お兄ちゃんのことが好きでたまらないよ。

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