クールな自称保護者様も燃える恋情は消せないようです
「ふぅん、お兄ちゃん、私、そんなに子どもに見える?」

私はジャケットを脱ぎ捨てると、お兄ちゃんに近付いた。
自慢の大きな胸をそらして、見上げる。
背の高いお兄ちゃん。見上げると首が痛くて、つい、身体をもたれかけてしまう――びくり、とお兄ちゃんの身体が揺れた。
思わぬ反応。
嬉しくなった。
さらに悪い心が流行る。お兄ちゃんだって男だ。

「ね、わかるでしょ? 私だってもう立派な大人の女なのよ」
「……やめろ、こんなことするな」
「ちゃんと私を見てよ。だって私、お兄ちゃんのこと、ずっと……」

瞬間、お兄ちゃんの目が細くなり、唇から歯がのぞいた。まるで、獲物を狙う獣みたいに。

あまりのその雄めいた仕草に、私はつい目をそらしてしまった。
そして、今更ながら気付いてしまった。
これより進んでしまえば、私とお兄ちゃんの関係はくずれたものになってしまうということに。
怖い。
この先進んでしまえば、もしかしたら私はお兄ちゃんを手放してしまう?

「ずっと」

ふいに腰を抱かれた。
お兄ちゃんが力強い腕が私の腰を引き寄せ、片腕を束縛した。

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