クールな自称保護者様も燃える恋情は消せないようです
「ずっと、なんだ?」
「な、なんでもないわ」

その力の強さに焦りが押し寄せてきた。
お兄ちゃんが違う。
違うようにスイッチを入れたのは私だけれど――。

「誘っているのか? 俺を」
「別に誘って……んっ」

顎にお兄ちゃんの指が添えられた。
それだけなのに、顔がびくとも動かない。

「誘っているんだろう? 教えてやろうか。大人の男がどういうものか」
「な……んっ」

なにが起こったのか解からなかった。
こんなこと、何百回としてきた。
なのに今はなに起きているのか、頭の中でちゃんと理解することができなかった。

だって、お兄ちゃんにキスされているんだもん。

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