クールな自称保護者様も燃える恋情は消せないようです
「んっ……っふん……!」

仰け反っても、手で抗おうともびくともしない。

「どうした? 慣れているだろ? キスぐらい、いろんな男とたくさんしただろ」

揶揄する言葉に反して、唇の動きは優しい。
その丹念で濃厚な動きに頭の奥がじんわりとほだされていく。
お兄ちゃんは上手かった。
蕩かすように舌を絡ませられ、つい受け入れてしまえば、甘い味と恍惚に酔って、夢中で絡み合わせる。

「結構、上手いな。何人の男と練習してきたんだ」

微かに息が上がっているその声は、低く掠れていた。
もう、冷静でクールないつものお兄ちゃんの声ではなかった。
欲に染まりきった男のそれだった。
ここまで来たら男の人はもうけして理性をとりもどさない。経験上知っていた。
ずくん、と下半身が疼くのを感じる一方で、不安が押し寄せてくる。
自分から誘っておいて後悔するなんて。
びくりとなる。
お兄ちゃんの手が、私のカットソーの裾から忍び入ってきた。

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