クールな自称保護者様も燃える恋情は消せないようです
「や……っ」
「今更言うなよ。何人の男に触れられてきたんだよ……。おまえは、そういう恥知らずな子になってしまったんだろ」

そうぶっきらぼうに言って、私の身体を撫でていく。
涙が零れそうになるのを、ぎゅっと閉じて堪える。
なにを悲しんでいるんだ。
煽ったのは自分からじゃないか。
お兄ちゃんとこうなることに、ずっと憧れていた。

でももう、私とお兄ちゃんは、これまでの二人ではいられなくなってしまう――。

いつも私を守ってくれた手が、淫らな動きで私の身体を撫で上げ、堪能する。
その手は冷たさを感じるほどに淡々としていて、私はまるで人形にでもなったかのような心地だった。

お兄ちゃんの望む可愛いくて幼い幼馴染じゃなくなった私なんて、もうどうでもいいんだろうな。
だからこんなことができるんだ。
私はお兄ちゃんの特別じゃない。
涙が零れた。

もし、ここでやめてくれたら――そしたら私はお兄ちゃんにとっての特別になれるのかな――。

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