クールな自称保護者様も燃える恋情は消せないようです
「けっこうヤバそうだな。ちょっと観に行ってみる?」
「う、ん」
ほどなくして野次馬の群れが見えた。
そして、消防車。
ビルから灰色の煙がもうもうと出ていた。微かに赤い炎も見える。
「うわすげーな。かなり燃えてるじゃん」
野次馬たちは、ともすればドラマかなにか楽しむかのように暢気に見ている。
今まではその一人だった私だけれども、今はちくりと違和感を覚えた。
だって、運が悪ければ、この前は私があのビルの人達のようになっていたかもしれないから。
そして、その人たちを助けようと、消防士たちが命を懸けていることを知ってしまったから。
お兄ちゃん……。
すると、応援に来た消防車の中から消防士が数名降りてきた。
瞬間的に気がついた。
お兄ちゃんがいた。
マスクを付けるとホースをもって現場に近付いて行く。
必死に目を凝らしたけれど、煙に姿が消されてしまう。
お兄ちゃんは火と煙を相手に戦いに行ったのだ。
「危ない!」
どこからともなく声が起きた。
看板が燃え落ちたのだ。
野次馬たちから悲鳴が起こり、消防士が緊張を増した声で「離れてください」と声高に警告する。
「すっげー! やばくね?」
本田くんは、まるで目の前で映画の撮影を見ているかのように興奮している。
「う、ん」
ほどなくして野次馬の群れが見えた。
そして、消防車。
ビルから灰色の煙がもうもうと出ていた。微かに赤い炎も見える。
「うわすげーな。かなり燃えてるじゃん」
野次馬たちは、ともすればドラマかなにか楽しむかのように暢気に見ている。
今まではその一人だった私だけれども、今はちくりと違和感を覚えた。
だって、運が悪ければ、この前は私があのビルの人達のようになっていたかもしれないから。
そして、その人たちを助けようと、消防士たちが命を懸けていることを知ってしまったから。
お兄ちゃん……。
すると、応援に来た消防車の中から消防士が数名降りてきた。
瞬間的に気がついた。
お兄ちゃんがいた。
マスクを付けるとホースをもって現場に近付いて行く。
必死に目を凝らしたけれど、煙に姿が消されてしまう。
お兄ちゃんは火と煙を相手に戦いに行ったのだ。
「危ない!」
どこからともなく声が起きた。
看板が燃え落ちたのだ。
野次馬たちから悲鳴が起こり、消防士が緊張を増した声で「離れてください」と声高に警告する。
「すっげー! やばくね?」
本田くんは、まるで目の前で映画の撮影を見ているかのように興奮している。