クールな自称保護者様も燃える恋情は消せないようです
「凄い火災だったよねー。私さっき通り過ぎた時、救急車で隊員の人が運ばれていくの見ちゃった」
「へぇ、隊員まで? やばくね?」

「ね、俺いい感じの店知ってるんだ。新井と行きたいなってずっと思ってたんだ」

本田くんが私の肩に手を掛ける。

「新井、どうしたの? もしかしてもう酔っちゃった? じゃあこの後送って……」

その時、私のスマホが鳴った。

お兄ちゃんからだった。

すぐにタップした。

「お兄ちゃん!?」
『梨央』
「どうしたの? まだ仕事先でしょ?」
『ん、ああ、実は今病院に来ていてな』
「病院!?」

私はほとんど叫んでいた。

< 30 / 41 >

この作品をシェア

pagetop