クールな自称保護者様も燃える恋情は消せないようです
私の後お風呂に入ったお兄ちゃんもTシャツ姿のラフな格好になってビールを飲んでいた。
運動神経抜群だったお兄ちゃん。昔から体格はよかったけれど、職業のせいか、さらに引き締まっていて逞しい。
ダンベルが無造作に転がっているところから考えても、筋トレが日課なんだろうな。
ストイックなお兄ちゃんが毎日欠かさずこなす光景が目に浮かぶ。
肌も少し日焼けしているのがいっそう精悍な大人な男って感じに見える。
四歳しか歳が離れていないけれど、もう立派な社会人って感じだ。私に出された麦茶が、いやにその差を感じさせる。

「煙草は?」
「え?」
「煙草、吸うんだろ?」

あ、ボヤの原因は煙草だから、私が吸っていると思ったらしい。

「ううん、あれは私のじゃないの」

上手く隠せる自信も無くて、仕方なく、正直に事情を話した。
その直後、黙って聞いていたお兄ちゃんの顔を見て、うっとなった。
やっぱ、めちゃくちゃ不愉快そう。
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