クールな自称保護者様も燃える恋情は消せないようです
「もしかして、呆れてる?」
「まぁな」
そっけない返事が返ってきて、ずき、と胸が痛む。
「おまえもそうだが、その男もだな」
「そうでしょ、もとはと言えばあいつのせい」
「そんな男と付き合うおまえもどうかと思うけどな」
「……だって!」
「おまえはそんな子じゃなかっただろ。もっとちゃんとしたいい子だったじゃないか。髪もメイクもけばけばしくて、悪い男がよりつくわけだ」
蔑むような言い方にじくり、と胸が疼いた。
お兄ちゃんからそんな風に見られるなんて。
「……悪かったわね、いい子じゃなくて。だいたい、いい子って何歳のことを言ってるのよ。私はもう子どもじゃないのよ」
涙腺が緩むのを堪えるように声を張り上げ、私は洗面所に駆け込んだ。