交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
「いや、むしろ喜ばしい」
なにしろ吉鷹以外の男を知らないのだから。しかも妻であれば、茉莉花はこの先ほかの誰も知らずに生きていくことになる。
これまでしてきた数多の恋愛では感じ得なかった支配欲をくすぐられ、心が弾んだ。
「俺は、茉莉花の最初で最後の男になるわけだ」
「それはまだわかりませんよ?」
軽く脅すとは、なかなかだ。そんな茉莉花の肩を抱き、言い含める。
「間違いなく最後の男だ。それにキスは夫婦になるためのステップでもある」
「いくつ目ですか?」
「三つ目だったか?」
まだどことなく逃げ腰の茉莉花と見つめ合い、もう一度唇を重ねた。