交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
いきなり吉鷹に声をかけられ、素っ頓狂な声が出た。悲鳴ともつかない、かわいげのない声に自分でも驚く。
「夫に対する反応とは思えないな」
一瞬目をまたたかせた吉鷹が、首を振り振り呆れ返って腰に手をあてる。
「……ごめんなさい。突然声をかけられたのでびっくりして」
さすがに〝夜のステップ〟を想像していたとは言えない。
「なにか手伝うことは?」
「だいたい終わりましたので」
取り澄ましつつハンガーにかけたコートをクローゼットにしまう。
「それじゃ、お風呂の用意ができたから入るといい」
「お、お風呂ですか」
彼の言葉に過剰反応する。