交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
〝この先はどうする?〟
その目がそう問いかけているよう。『茉莉花から俺に抱かれたいと思わせるから』と言っていた吉鷹は、あくまでも答えを茉莉花に委ねるつもりらしい。
好きな人のキスで熱に浮かされた体の答えは、ひとつしかないだろう。
「……抱いてください」
恥ずかしさを押し殺してお願いする。
自己主張できるのが茉莉花の長所だと彼が言ってくれたから。
吉鷹は甘さを孕んだ目を細め、妖艶な笑みを浮かべた。
「喜んで」
再び塞がれた唇から新たな熱が生まれていく。それは思いきって伝えた恋心に、羞恥を抑え込んで抱いてとねだった覚悟が上乗せされた、より濃厚な熱情だ。
本物の夫婦になるために踏む、形式的なステップとは違う。いつの間にか育っていた想いがお互いを強く求め、欲したからこその展開だった。
パジャマの裾から吉鷹の手が忍び込み、茉莉花の素肌を撫でる。