交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
「観月副社長、こちらです」
堀の深い顔立ちに屈強そうな体が威圧感を与える。
(SPかな……?)
体形から想像したが、それなら吉鷹のそばに常にいるだろう。
「永長、紹介しておこう。妻の茉莉花だ。茉莉花、こっちは秘書の永長」
「秘書の方だったんですか」
秘書と聞くと女性をイメージしがちのため、それだけでもギャップがある。
「茉莉花はなんだと思ったんだ」
「SPの方かと思いました」
思ったままを告げると、吉鷹はくっと楽しげに喉を鳴らした。
「よく間違われるよな、永長」
「はい、もう慣れっこですけどね。初めまして、永長と申します」
「初めまして、茉莉花です。主人がいつもお世話になっております」