交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
吉鷹が「ああ」と深く頷く。
瞬間、茉莉花の頭の中に彼とふたりの挙式シーンが思い浮かんだ。それはまだ想像の中のふたりではあるが、胸が急速に高鳴り、踊る。
「それなら私、ぜひ行きたい場所があるんです」
吉鷹の腕を興奮気味に掴んだ。
「なんだ、いきなりやる気満々だな」
「ずっと憧れていた場所だから」
「わかったわかった。ふたりでじっくり話して決めていこう」
宥めるように茉莉花の肩をとんとんと撫で、そのまま引き寄せる。
「その前に俺たちには大仕事がある。ふたりの大事な宝物の誕生を見届けてからだ」
優しく笑った彼の目にキスを悟る。瞼を閉じると同時に唇が重なった。