交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました
それまでの間に痛みの間隔がじわじわと短くなり、茉莉花は額に冷や汗を滲ませながら彼の車に乗り込んだ。
「大丈夫か?」
「……はい」
吉鷹がチラッと茉莉花を横目で見る。
「いや、大丈夫って顔じゃないな」
「どんな顔してますか?」
「身悶えて今にもイキそうな顔」
「もうっ、吉鷹さん、こんなときに卑猥なジョークはやめてください」
彼を軽く睨んで腕を小突く。
「緊張してるだろうから、リラックスさせようと思ったんだ。だけど、出産って鼻からスイカが出てくるような痛みなんだって?」
「恐怖を煽らないでください」
そんなひどい痛みを我慢できるのか本当に不安しかない。
「ごめん。いや、こういうときに男というのは無力な存在だと思わされるよ。代わってやりたいのにできないんだからな」