交際0日、冷徹御曹司に娶られて溺愛懐妊しました

「……すみません、言い過ぎました」


誤魔化さず素直に謝罪した。


「誰とも、か。それは困ったな……」


自分の顎に手を添えて思案するように眉根を寄せていたが、吉鷹はふとなにかを思いついたかのように目の奥を光らせた。


「そうだ」


おもむろに茉莉花をじっと見据える。


「キミが俺と結婚すればいい」
「……はい?」


なにを言っているのかわからず目が点になる。


「帰国後、社長就任パーティーで妻を紹介する予定になっている。跡継ぎが望めることをアピールし、観月建設の末永い発展を世間に知らしめなければならない」


結婚式の次は社長就任パーティーとは忙しい御仁だ。
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