黄色いハンカチ
「舞ーっ!今日も見に行こうよ!」
舞というのはこのあたし、清水舞である。
で、あたしを呼んでいる子は親友の加賀美奈。
「また野球部見るのー??」
「だってえ!大好きな桐谷くんがいるんだもん」
美奈はうかれている。
どんだけ桐谷のこと好きなんだか。
「あたし…帰っていい?なんかダルイし」
「えぇ~?舞も見ようよ!!」
「分かったよ。もうまったく…」
「ありがとう!舞だーい好き!!」
そう言って美奈はあたしに抱きつく。
「美奈、苦しいってばあ!」
「あっ、ごめんごめん」
美奈は笑いながらチョロッと舌を出す。
わがままだけど、なんだかんだ言って可愛い友達。
「じゃあ、行こうか」
あたしと美奈は野球部が活動している校庭へ向かった。