お前を地の果てまで追いかける〜御曹司の決意
「これでもう終わりじゃないよね」

「何言ってるの、俺と優里はこれからだろう」

「だって、二年前、陸に別れ話をされて、すごく嫌だったから」

「別れ話?」

「あ、なんでもない」

感情の赴くままにペラペラと喋ってしまった。

陸が忘れているなら、今は私を愛してくれているなら、このまま話さない方がいいかもしれない。

なんて私はずるい女なの?

でも、それでも陸の愛に溺れたかった、たとえ一瞬でもいいから。

私は親友の奈緒子に連絡を取った。

一人じゃ寂しい。

変なの、二年間一人だったのに、一晩だけなのに陸と一緒にいたら、もう離れられなくなってる。

一人でいる事がこんなにも寂しいなんて想像もつかなかった。

「奈緒子、ご飯一緒に食べない?」

「いいよ、じゃあ、いつものカフェで待ち合わせね」

いつも、奈緒子は私の心の隙間を埋めてくれるありがたい親友である。

陸と別れて、二年間ずっと一緒にいてくれた。

「何、どうかした?」

「あのね、昨日社長が私のアパートに泊まったの」

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