お前を地の果てまで追いかける〜御曹司の決意
『もちろん、会えるよ、打ち合わせがあるから、終わったら優里のアパートへ行くね、夕飯よろしく』

『了解、おやすみなさい』

『おやすみ』

そしてLINEは終わった。

良かった、明日また会えるんだ、安心したら涙が溢れてきた。

また、陸と離れ離れになったら、もう立ち直れないかもしれない。

心配なことは陸が私を覚えていないこと。

二年前の思い出なんかどうでもいい、陸が私を求めてくれてるのか、ただそれだけが重要だ。
会社ではもちろん会えないのはわかっていた。

早く仕事終わらないかなとそればかり考えていた。

仕事が終わって夕飯の買い物をしてアパートへ急いだ。

陸のことばかり考えていた。

まだ、何もわからない状態で、こんなにも陸でいっぱいの私は大丈夫だろうか。

もし、私を思い出して、やっぱり一緒にいられないなんて言われたらどうなってしまうんだろう。

陸とまた一緒にいられる喜びと、私を覚えていない不安が混在して素直には喜べなかった。

< 22 / 61 >

この作品をシェア

pagetop