お前を地の果てまで追いかける〜御曹司の決意
親父は興奮したためか、呼吸が苦しくなり、俺はナースコールをした。

「すみません、親父が苦しがっているんです、お願いします」

すぐに担当の医師と看護師がきて処置を施した。

俺はしばらく廊下で待機していたが、親父の容態が落ち着いたのを確認して、
病院を後にした。

なんであんなに優里とのことを反対するんだ。

しかも親父は優里と呼んでいたし、阿部は優里様と言っていた。

どう言うことだ。

優里に問題があるとは思えない、それなら問題は俺なのか。
記憶がないことに関係があるのか、もしかして俺はとんでもない病気でもあるのか。

俺は会社に戻り、秘書の阿部を捕まえて詰め寄った。

「親父は森川優里との結婚をものすごい勢いで反対した、理由を教えろ」

「あのう、私は何も存じ上げません」

「お前にとって優里はどんな存在だ」

「我が社の社員です」

「お前は社員を様をつけて話すのか」

阿部は答えに困っている様子だった。

そう言えば優里はどんな経緯でこの会社に入社したのだろうか。

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