お前を地の果てまで追いかける〜御曹司の決意
でも、陸は会社に来る事は一度も無かった。

ところが、二年経った今日、新社長として現れる、私は戸惑いを隠せなかった。

どんな顔して会えばいいの?

何を話したらいいの?

でも、陸は社長、私は平社員、接点などあるはずもなく、そんな心配は無駄だと気づかされた。

それに、私達は今となってはなんの関係もないのである。

私と陸の交際を知っていた親友奈緒子にも、はっきり言われた。

「優里、彼は社長、そして二人の関係はとっくに終わっているんだからね」

「そんな事言われなくてもわかってる」

いや、私はわかっていなかった。

一言でもいいから言葉を交わしたいと微かな望みを抱いていた。

私は総務部に勤務しており、陸はまず総務部にきた。

「皆、新社長が挨拶にお見えになる、手を止めてくれ」

部長が入り口から奥に通路を開けて、新社長を迎え入れる準備を始めた。

私は一番遠い後方の席なので、陸は気づかないだろうとしょぼんとしていた。

陸が総務部に足を踏み入れた。

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