お前を地の果てまで追いかける〜御曹司の決意
「どう言うことですか」
「住む場所も就職先もわしが面倒を見る、優里はわしの目が届くところにいて欲しいんだ」
「わかりました」
私はとりあえず同意した。
そして、アパートに戻り、荷物を整理した。
全然平気だと思っていたが、自覚がないまま涙が頬を伝わった。
私、泣いてるの?
母の位牌を見つめ、大きくため息をついた。
お母さん、どうしてお父さんのプロポーズ受けなかったの?
私ね、弟を愛しちゃったよ、そのためにそのことを伝えられた陸は悩んで、悩んで、記憶を失うくらいに悩んで、きっと自己防衛本能が働いて、記憶をリセットしちゃったんだね。
お父さんの言う通り陸にまた同じ思いはさせられない。
私なら大丈夫って思われたのかな。
大丈夫じゃないよ、どうして、どうしてなの。
なんで陸は弟なの?
嘘だよね、嘘って言ってよ、お母さん、何でなの?
私はどうすればいいの?
なんで二度も陸と別れる辛い思いをしなくちゃいけないの。
なんで、なんで、なんでよっ。