お前を地の果てまで追いかける〜御曹司の決意
二年経った陸は頼もしい感じを受けた、さすが社長に就任すると違うのかなと、二年前の陸の姿を思い返していた。
「新社長に就任致しました城之内陸と申します、右も左も分からない状況ですので、ご指導をよろしくお願いします」

そして、部長が私を呼んだ。

「森川、前に出てこい」

嘘、私?

私は咄嗟の出来事に狼狽えてしまった。

部長は私を陸に紹介した。

「総務部の森川優里です、何なりと聞いてください」

「森川優里と申します、よろしくお願いします」

私も挨拶をした。

そして、顔を上げて陸と目が合った。

陸はじっと私を見つめた。

陸との二年間が走馬灯のように蘇る。

私は胸が熱くなり、涙が溢れてしまった。

陸は私の涙を見て「大丈夫?」と言って涙を拭ってくれた。

思いがけない出来事に私は「すみません」と言って一歩後退りした。

「いや、俺の方こそ初対面の女性に触れてしまって、申し訳ない、これ使って」

そう言って陸は私にハンカチを渡してくれた。

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