お前を地の果てまで追いかける〜御曹司の決意
『よう、陸、久しぶりだな、ニュースで見たぞ、お前、社長に就任したんだな』

俺に電話をかけてきたのは、田上健太郎、北海道に拠点を置き水産業の会社を経営しているやりての社長だ。

『親父さんは元気か』

『病気で入院している』

『そうか、それでお前が社長業を継いだってわけか』

『ああ、そう言うことだ』

『お前が会社に来ることになったから、優里ちゃんが会社を辞めたってことか』

『二年前俺と優里は別れた経緯を知っているのか』

『ああ』

『会って話がしたい』

俺は藁をもつかも気持ちだった。

『優里ちゃんが北海道にいることは知ってるのか』

『知ってる、俺が社長就任した日にまた付き合うことになった』

『嘘だよな』

『親父がまた優里に余計なことを吹き込んで、今度は俺が振られたよ』

『そうか』
俺の勘違いか、電話口の田上は何かを隠しているように感じた。

私は何事もなく平穏な日々が流れて、変わりのない毎日を送っていた。

店に一人の男性が現れた。

「いらっしゃいませ」

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