お前を地の果てまで追いかける〜御曹司の決意
その時、店のドアが開いて陸が入ってきた。

「陸、久しぶりだな」

「ああ」

「突っ立ってないで座りなよ、優里ちゃん、二人の注文聞いて」

「はい」

おばさんが奥から私に声をかけた。

「俺はカニクリームコロッケ定食、お前は」

「じゃあ、俺も同じもの頼むよ」

私は二人の注文を聞いて、陸の顔色が良くないのに気づいた。

「陸、顔色良くないけど、体調悪いの?」

心配で堪らず陸に声をかけた。

「うん、食欲なくて、夜も寝られないんだ」

「病院行った方がいいんじゃないの」
「体調悪い理由分かってるから、放っておいてくれるか」

「でも、心配なんだもん」

「じゃ、俺のそばにいて飯作ってくれたり、俺に笑顔向けてくれたり出来るのか、出来ないなら口出さないでくれ」

私は何も言葉が見つからなかった。

「優里ちゃん、カニクリームコロッケ定食出来たよ、運んでちょうだい」

おばさんが項垂れていた私に声をかけた。

「はい」

私は二人のテーブルにカニクリームコロッケ定食を運んだ。

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