お前を地の果てまで追いかける〜御曹司の決意
「二年前は自分の気持ちと親父さんの言うことを守らなくちゃいけない狭間で苦しんでた、人間は自己防衛のために嫌な記憶を封印することがあるらしいぞ」

「それだけか」

「俺はそれ以上は何も分からない」

田上は俺から目を逸らした。

明らかに何かを隠していると感じた。

「優里を説得出来れば俺と優里は結婚出来るってことだよな」

「親父さんも説得しなくちゃ駄目だぞ、親の反対を押し切ってまで優里ちゃんがお前と結婚するとは思えないからな」

俺はしばらく北海道に滞在することにした。

酒を煽って時間を費やしても、何も解決しない。

今度こそ、優里の事は諦めないと誓った。

俺は毎日優里の働いている定食屋に足を運んだ。

「何にしますか」

「焼き魚の定食を頼む」

「はい、焼き魚定食お願いします」

優里と目が合う。このまま連れ去りたい衝動に駆られた。

しかし、真実を確かめないと何が、誰が俺と優里を引き離そうとしているんだ。

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