私(俺)の不器用な愛情表現【番外編】
私は陸上部の殆どの人に嫌われてた。
話したこともない、男子の先輩からも。
特に私を嫌っていたのは、女子の川村先輩だった。
川村先輩のお気に入りは。
煌くんだった。可愛いとか言ってたっけ。
私のことは許せなかったみたいで。
私に聞こえるように悪口を言ってた。あの人と呼んでね。
それでも、私は。
嫌われてるのにも関わらず、みんなに幸せな日常を送ってほしいと思っていて。
みんなを見守るように少し後ろから見ていた。
何も出来ないけど、誰一人として少しの変化も見落とさなかった。
煌くんの第一印象は冷たくて。恋もしたことなければ、他人に興味なくて笑ったこともないと思った。
だけど、彼は話す時は絶対に笑う人だった。
笑顔が輝いて見えた。
私が思ったことは間違いだったんだって思った。