私(俺)の不器用な愛情表現【番外編】
それから、私は誰とも関わることなく。
夏休みに突入した。
駅伝部は、陸部以外にも速い人を他部活から引っ張ってくる。
だから、テニス部の女子の後輩、夏織ちゃんと仲良くなったんだけど。
試走をしたある日に。
合田先輩が1区で1区だけ他校と走ることになって。
昼前に走ることになったから、みんなで応援してたんだけど。
その時に3年の先輩とふざけてた煌くんが押されて、私の方に向かってきた。
避けようにも、夏織ちゃんのマシンガントークで逃げることが出来なくて。
川村先輩のお気に入りの煌くんとぶつかれば。
『あいつ好きなんちゃう?身の程弁えろよ。』
とか言われるんじゃ。
私の平和な日常がー!
なんて思って、諦めてた時。
煌くんが察したのか、ぶつかる寸前で踏ん張って止まってくれた。
そして、何も無かったかのように
『もう、やめてくださいよー。』
って言って戻って行ったんだ。
あれは間違いなく、好きな人のところに飛ばされるってやつだったけど。
私が好かれる理由もなければ。
好かれるはずがないので、押す方向を先輩が間違えた。
ということで終わった。