私(俺)の不器用な愛情表現【番外編】
11月の地域の駅伝では。
私はまたアンカーで、煌くんは1区だった。
煌くんがアップしてるところをずっと見ていた。
そしたら、あることに気づいた。
それは。
私と同じ仕草をしていたこと。
仕草が変わって、私に似てるって分かるのも怖いな。なんて思った。
だけど、嬉しかった。
だって、私も。煌くんが居ない日常を埋めるために。
煌くんの真似をしていたから。
ほんと、私たちは似てる。
なんでここまで?って思うくらいに。
そして。私も走り終わったあと、はるちゃんと再開して。
野々村くんが傍に来たら。
計画を実行した。
煌くんに、好きな人が誰か聞くっていうのをね?
私もはるちゃんも呼びに行けなくて。
野々村くんが煌くんを呼びに行ってくれた。
煌くんが私の目の前に来るなり、笑顔で
「で、話ってなんですか?」
そう聞いてきた。
「質問してもいい?」
「はい。」
「好きな人って誰?」
そう聞くと煌くんはビックリした顔を一瞬した。
「いませんよ。いませんよ。いませんよ。」
焦ったのか、一回目は私の顔を見て笑顔で言ったのに、2回目からは笑顔ではるちゃんに言った。
そして、逃げるように
「それだけですか?」
「うん。」
「それじゃあ、俺は失礼します。」
と言って、戻って行った。