砂糖漬け
第一話 砂糖漬け
好きなこと。嫌いなこと。どうでもいいこと。
世界には大きく分けてこの3つしか存在しない。
好きなこと。嫌いなこと。どうでもいいこと。
ボクの周りには、どうでもいいことが溢れ過ぎている。
どうでもいい義務教育を終え、どうでもいい高校とどうでもいい大学を卒業して、
所謂普通の、可もなく不可もなく、特に親や大人に迷惑をかけることなく生きてきた。
目立つのが嫌いだった。成績はいつもオール4。
将来の夢は、サラリーマン。そう書いたら先生が怪訝な表情を浮かべたことは覚えている。
結局ボクは大学を卒業して、フリーターになった。
自己アピールが苦手で、就職できなかった。
初めて両親に心配をかけた。
ボクには何故かそれが初めて感じた優越感のように思えた。
髪を染めて、ピアスを開け、ボクの遅い反抗期が始まった。
新宿駅から5分ほど歩いた雑居ビルの4F。
そこにあるJAZZ専門のレコード屋。ボクのバイト先だ。
別にJAZZが好きな訳じゃなかったけど、
父の影響で洋楽には詳しかった。
父は一人息子のボクをそれは大事に育て、
ボクの欲しいものはなんでも買い与えた。
ボクはそれが少し歯痒かった。
酒も飲まず、煙草も吸わず、ギャンブルもしない。
休みの日は洋楽を聞いて、コーヒーを飲む。
つまらない父親を見て、微笑んでいる母親。
端から見れば絵に描いたような暖かい家庭。
一番どうでもいいことだった。
世界には大きく分けてこの3つしか存在しない。
好きなこと。嫌いなこと。どうでもいいこと。
ボクの周りには、どうでもいいことが溢れ過ぎている。
どうでもいい義務教育を終え、どうでもいい高校とどうでもいい大学を卒業して、
所謂普通の、可もなく不可もなく、特に親や大人に迷惑をかけることなく生きてきた。
目立つのが嫌いだった。成績はいつもオール4。
将来の夢は、サラリーマン。そう書いたら先生が怪訝な表情を浮かべたことは覚えている。
結局ボクは大学を卒業して、フリーターになった。
自己アピールが苦手で、就職できなかった。
初めて両親に心配をかけた。
ボクには何故かそれが初めて感じた優越感のように思えた。
髪を染めて、ピアスを開け、ボクの遅い反抗期が始まった。
新宿駅から5分ほど歩いた雑居ビルの4F。
そこにあるJAZZ専門のレコード屋。ボクのバイト先だ。
別にJAZZが好きな訳じゃなかったけど、
父の影響で洋楽には詳しかった。
父は一人息子のボクをそれは大事に育て、
ボクの欲しいものはなんでも買い与えた。
ボクはそれが少し歯痒かった。
酒も飲まず、煙草も吸わず、ギャンブルもしない。
休みの日は洋楽を聞いて、コーヒーを飲む。
つまらない父親を見て、微笑んでいる母親。
端から見れば絵に描いたような暖かい家庭。
一番どうでもいいことだった。