君が好きでたまらない!
七月末、新さんから急に「明日、出かけないか?」と言われて快諾した。相変わらずお仕事が忙しいので、お互いの勘違いがわかってから初めてのお出かけだ。どこに行くのかは知らされていない。新さんの仕事が終わってから、自宅に迎えに来てもらえることになっている。
なんとなくいつもよりもっとお洒落をした。メイクもお姉ちゃんに習って可愛く仕上げたつもりだ。変身させてもらったときのようなメイクは難しいが、しっかりとお化粧をすれば変われるのがわかった今、新さんの為に少しでも可愛くなりたい自分がいる。
車に乗り込んで一時間。気付くとついこの間もやってきた場所に到着していた。
「水族館?」
「ああ。リベンジ。この時期は特別に夜も開館してるそうだ」
「夜の水族館も素敵!」
数日前は別人になりきって、彼の隣に立っていた。だけど今は堂々と妻として彼と手をつないでいる。それがとても嬉しかった。彼も同じように嬉しそうなのも、私の胸をいっぱいにしていく。
「夜はイルカショーは無いらしいが、人が少なくてゆっくり見られるな」
「うん。綺麗です」
魚を見ているはずなのに、新さんが私をじっと観察していたり。手を繋いでお互いを見つめて笑いあったり。幸せな時がゆっくりと流れていく。
水族館を見尽くした後は、海が見える海岸沿いを二人でゆっくりと歩いた。
「夜の海も素敵ですね。夜景がきれい」
「ああ」
立ち止まって夜景を楽しんでいると、新さんが意を決したように私の手を握りしめ、すっと目の前に跪いた。
「佳織、最初から君に結婚を申し込んだ時から、こうするべきだった」
「君が、好きでたまらない。愛してるんだ。これからも君だけだと誓うから、君も……佳織も俺を選んでくれないか」
初めて彼に恋をしたとき王子様みたいだと思った。その通りの王子様みたいなプロポーズ。
浮気してるんじゃないかとか、私に興味がないんじゃないかとか、とっても悩んだのに。こんなに幸せな気持ちになれるだなんて。
感無量になって目尻が濡れていくけれど、私は精一杯の笑顔で答えた。
「はい。この先一生貴方だけです!」
** END **
なんとなくいつもよりもっとお洒落をした。メイクもお姉ちゃんに習って可愛く仕上げたつもりだ。変身させてもらったときのようなメイクは難しいが、しっかりとお化粧をすれば変われるのがわかった今、新さんの為に少しでも可愛くなりたい自分がいる。
車に乗り込んで一時間。気付くとついこの間もやってきた場所に到着していた。
「水族館?」
「ああ。リベンジ。この時期は特別に夜も開館してるそうだ」
「夜の水族館も素敵!」
数日前は別人になりきって、彼の隣に立っていた。だけど今は堂々と妻として彼と手をつないでいる。それがとても嬉しかった。彼も同じように嬉しそうなのも、私の胸をいっぱいにしていく。
「夜はイルカショーは無いらしいが、人が少なくてゆっくり見られるな」
「うん。綺麗です」
魚を見ているはずなのに、新さんが私をじっと観察していたり。手を繋いでお互いを見つめて笑いあったり。幸せな時がゆっくりと流れていく。
水族館を見尽くした後は、海が見える海岸沿いを二人でゆっくりと歩いた。
「夜の海も素敵ですね。夜景がきれい」
「ああ」
立ち止まって夜景を楽しんでいると、新さんが意を決したように私の手を握りしめ、すっと目の前に跪いた。
「佳織、最初から君に結婚を申し込んだ時から、こうするべきだった」
「君が、好きでたまらない。愛してるんだ。これからも君だけだと誓うから、君も……佳織も俺を選んでくれないか」
初めて彼に恋をしたとき王子様みたいだと思った。その通りの王子様みたいなプロポーズ。
浮気してるんじゃないかとか、私に興味がないんじゃないかとか、とっても悩んだのに。こんなに幸せな気持ちになれるだなんて。
感無量になって目尻が濡れていくけれど、私は精一杯の笑顔で答えた。
「はい。この先一生貴方だけです!」
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