クールな准教授は密かに彼女を溺愛する

北原准教授の悩み事

子供の頃。

近所の女の子とブロックで家を作っておままごとをするのが好きだった。

部屋の配置、家具の位置、動線に使い勝手まで考えて夢中になって遊んでいた。

今もまだ、その延長状に生きている。

間取りにパース、外構に模型、建築に関する全ての過程に没頭している時間が一番好きだ。
誰にも邪魔されず、
その事だけを考えて生きていけたら幸せだろうと思うほど。


そこそこ裕福な家に生まれ、
なに不自由なく育ち、
次男坊の為に家に縛られる事もなく、
祖母がハーフであったから容姿にも恵まれた。

他人はみんな自分の事を羨ましがる。


はぁーー。っと
当の本人は深いため息を吐く。

誰も本当の自分を見てくれないと。

外見、家柄、職業、パーフェクトでも幸せでは無い。何か物悲しい。

外見だけじゃ無く、俺自身を受け入れてくれる人は果たしてこの世にいるのだろうか？