クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
昨夜は要に、当たり前かの様に髪まで乾してもらい、ベッドは一つしか無いからと強引に要のベッドで寝る事になってしまった。
ソファで寝るから安心してと要は言って、でも申し訳なくて行ったり来たり、挙げ句の果てに時間がもったい無いと添い寝され、いつの間にか寝てしまった。
朝起きたら、朝食は用意されているし、新しい服まで揃っていてびっくりする。
至れり尽くせりとはこう言う事だと思う。
おまけに、紗奈は1人で歩いて行くと言うのに、半ば強制的に車に乗せられた。
運転は要自身がする。
車持ってるのに、なぜいつも電車で通っているんだろう?
いろいろ聞きたい事ばかりだが、サングラスをかけて前髪を少し分けている要はまるでモデルさんみたいで、見慣れる事がまだ出来ず、話しかける事さえ緊張する。
「どうした?
静かだね。何考えてる?」
要が言う。
「いろいろ、…聞きたい事がありますが、何から聞くべきか思案してます。」
「まぁ。聞きたい事は何となく分かるけど、とりあえずバイトは辞める連絡しとくから、
これからは学業を優先してくれ。」
「自分でバイト先には連絡します。
あっ!!
昨日帰り際にオーナーが迷惑料もらったって言ってたんですけど、いくら渡されたんですか?」
痛いとこついてくるな。と要は思う。
「あれは…衝動的に動いて迷惑かけた俺の分だよ。」
「でも…。」
「いいから、
一応、遊んで暮らしても生きられるくらいのお金はあるから心配しないで。
紗奈の学費も生活費も全部これからは俺が払う。」
「えっ!!
何言ってるんですか⁉︎
…私なんかに投資しても良い事無いので辞めて下さい。」
必死でお願いする。
あはははっと要は軽く笑う。
「いいね、それ。紗奈に投資するから、大きくなったら倍にして返してくれたらいいよ。」
楽しそうに要は言って紗奈の頭を優しくポンポンする。