クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
息を整え紗奈は困り顔で言う。
「誰かに見られたらどうするんですか?」

「多分誰も、俺だって気付かないよ。」
爽やかに笑って、

「でも、その顔は人に見せられないなぁ。
ちょっと落ち着くまで待って。」
紗奈の頬を撫でながら要が言う。

真っ赤になって潤んだ瞳の紗奈は可愛すぎる。誰にも見せたくない。

「先生のせいです…。」
両手を頬に当てて俯く。

「帰りも車で来るから、一緒に帰ろう。」

「…電車で帰ります。」

「自分の家に?俺のお世話してくれるんでしょ?」

「でも、荷物の整理とかしなきゃですし、一旦帰ってお部屋片付けないと。」

「きっと帰る頃には荷物は俺のとこに届いるはずたよ。」

「はい⁉︎どう言う事ですか?」

「前島さんに頼んどいたんだ。仕事早いから彼。」

「他人でも勝手に入って引越しって出来ちゃうものですか⁉︎」

「前島さんならね。」

「何者ですか⁉︎前島さん…。」

「紗奈の手を煩わせる事ないよ。彼に任せておけば問題無いから。安心して。」

普段は石橋を叩いて渡る性格の紗奈にとって、考える間も無くいろんな事が一瞬で変わってしまい、心が付いていかない感じでふわふわする。
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