クールな准教授は密かに彼女を溺愛する

「あなたのその、可愛さと自覚の無さに怒ってます。それに…分かっているのに1人で歩かせた自分に1番腹が立ってます。」

「それは、…ちょっと大げさでは?」
首を傾げて紗奈が言う。

「それだから心配なんです。」
メガネを外しても先生モードの要は結構、本気で機嫌が悪そう。

「……どうしたら許してくれますか?」

「そうだな。キスでもしてくれたら機嫌直るかも。」
挑戦的な目を向けられて、ちょっとたじろぐ。

駐車場に着いて、
要は助手席のドアを開けてくれる。
そういう所が御曹司っぽいなと思ってしまう。
なんだかんだ、立ち振る舞いに品を感じる。
「ありがとうございます。」
と。お礼を言って乗り込む。

要も運転席に回って乗り込む。

シートベルトをする瞬間、紗奈は思い切って要の頬にキスをした。

「…えっ。」
びっくりして要は思わず紗奈を見る。

真っ赤になって紗奈は慌てて両手で顔を隠す。
「…機嫌直りましたか?」

「それじゃ、足りない。」
そう言って、紗奈の両手を掴んで目を合わせ、貪る様にキスをした。

「…うっ…」
急に舌を絡ませられて、紗奈は小さくパニックになりながらも必死で答えた。

「はぁ。ずっとこうしてたいな。」
ぎゅっと抱きしめて要が言う。

紗奈は乱れた息を整えながら、
「…私の心臓が持ちません…。」
真っ赤になりながら要の肩に顔を隠して呟いた。
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