クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
「あっ。そう言えば、お土産渡すの忘れてた。」
そう言っておもむろにカバンの中から細長い箱を出す。
「気に入ってくれるといいけど。
開けてみて。」
「ありがとうございます。」
紗奈は頭を下げて、包装紙を丁寧に剥がし箱の蓋を開けてみる。
中には、黒と赤の万年筆が入っていた。
「わぁー、綺麗…。」
どちらにも折り鶴の模様が描かれていてキラキラと輝き綺麗だった。
「1本は俺が使うからもう一本は紗奈のもの。
本当はアクセサリーとか身に付ける物を買いたかったけど、受け取ってもらえないかもと思って、普段から持ち歩いてくれたら嬉しい。」
蓋を開けて筆先をみる。キラキラ輝いていて高そうだなぁっと思わず思ってしまう。
「万年筆なんて初めて使います。」
恐る恐る包装紙に試し書きしてみる。
「凄い滑らかです。」
嬉しそうに大事そうに箱に戻し、黒い方の一本を要に渡す。
「お揃いですね。大切にします。」
嬉しそうに微笑んで紗奈は言う。
黒い万年筆を受け取りながら要は内心ホッとする。
「要らないって言われたらどうしようかと思ったよ。」
「えっ、何でですか?凄く嬉しいです。」