クールな准教授は密かに彼女を溺愛する

家にて

車から部屋へ帰る道中、要は紗奈の手を一度も離すことなく玄関にたどり着いた。

「お邪魔します…」
と紗奈は玄関で靴を脱ぎながら思わず言ってしまう。

「ただいま、でいいんだよ。
これからここが紗奈の家なんだから。」
要は優しく紗奈に笑いかける。

「ただいま…」
紗奈は小さな声で遠慮がちに言う。

「おかえり。」
嬉しそうに要は笑い、再び手を繋いで中まで導いてくれる。

「この空き部屋に紗奈の荷物運んでもらったから、後で確認して。」

ちょっとだけ立ち止まりドアから中を覗き見る。見慣れた家具が目に入りホッとする。

「ハイ。ありがとうございます。」
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