クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
「今、何考えてる?
出来れば全部教えて欲しい。
紗奈の心配や不安も全部分け合って軽くなればいいと思ってる。」
目の前のガラスに映る自分を見る。不安そうな顔してる。先生は、そんな私を優しく包む様に見つめている。
「先生は、あっ…要さんは…
きっと普通だったら手の届かない人なんです。私なんかが側にいて許される人じゃ無いと思います。」
要が、ぎゅっと力を入れて抱きしめる。
「…でも、私…要さんの側にいたい。
要さんの全てを教えて下さい。もっと遠くに感じてしまうかもしれないけど…ちゃんと向き合いたいんです。」
はぁ。要が小さくため息をつく。
「俺は怖いよ。
俺の事をもっと知ってもらいたいと思う反面、紗奈が離れて行きそうで怖い。
曖昧な事しか言えないでいる。
…絶対、離れないって約束してくれる?」
紗奈をくるりと回転させて向かい合う形で抱きしめられる。
要の鼓動が紗奈と同じくらい早く脈打って聞こえる。紗奈は先生も緊張してるんだ、とびっくりして思わず見上げる。
「昨日の今日でまだ、ふわふわしてる感じはしてますけど、出来ればここにずっと居たいと思う気持ちは昨日より強いです。…何処にも行かないって約束します。」