クールな准教授は密かに彼女を溺愛する

朝、日課のジョギングをして帰るとお味噌汁の匂いがする。

匂いに導かれるままキッチンに行くと紗奈が居る。

今まで誰かと暮らす事なんて難しいと思っていたのに、紗奈が居る事に自然と安らぎを覚え、安心する自分がいる事に驚く。

「おはよう。」
後ろから思わず抱きしめてしまう。

ビクッと身体を揺らし驚く紗奈が可愛くて頬にキスをする。

「お、おはようございます。
早いですね。もう少し経ったら起こそうと思ってたんですけど。」
頬を赤く染めながら紗奈が言う。

「毎朝ジョギングするのが日課なんだ。」

ちょっと目を見開き驚き顔で、自分を見上げる紗奈の仕草が可愛い。

朝から要は幸せを噛み締める。

今週は出張も学会も無いから送迎出来るし、紗奈と2人っきりで過ごせる時間が増えて嬉しいと気分も上がる。

「も、もう少しで完成するので、座って待っててください。」
紗奈は朝から抱きしめられてドキドキが止まらない。

要は仕方なく離れてキッチンに立つ紗奈を背後で見守っていると、紗奈がパッと振り返り、
「そこで見てられると気になって緊張しちゃいます。」
と、唇を尖らせて抗議の声が上がる。

「分かった。何か手伝う事ある?」
笑いながら紗奈に近づく。

「じゃあ。お皿を机に並べて下さい。」
可愛いお願いに素直に従い、要は甲斐甲斐しく手伝う。
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