クールな准教授は密かに彼女を溺愛する

2人で席に付き「いただきます。」と手を合わせる。
白米に鮭の塩焼き、かぼちゃの煮物、ほうれん草のおひたしに、お味噌汁、朝から少しの時間で凄いなと感心する。

「美味い。」
朝はコンビニのおにぎりで済ましていた要にとってはとても贅沢に感じる。

「朝から作ってくれてありがとう。
でも、紗奈の負担にならない程度でいいからな。」

紗奈は1人で頑張り過ぎる所があるから、念を押す。今まで充分に頑張ってきたから無理をして欲しく無い。

「お料理は好きなんです。
朝はお弁当も作るので平気です。」

心配症だなぁと思いながら紗奈は微笑む。

「今週は用事もないから車で送迎するよ。」

「だ、ダメですよ。誰かに見られたら大変です。」

「俺だって誰も分からないだろ。」

「で、でも素の要さんはかなり目立ちますから学校中の噂になっちゃいます。そしたら、私学校にいけなくなります。」
紗奈は慌てて言う。

噂になった方が紗奈に悪いムシがつかなくていいんだがと要は思う。

少しくらい世の男どもに牽制したい。



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