クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
「そろそろ支度しないと電車に乗り遅れます。」

「電車で行くつもりか⁉︎」

「要さんだっていつも電車でしたよね?」
お皿を片付けながら、小首を傾げて紗奈が聞く。

確かに冴えないサラリーマンを演する為に准教授になって以来電車で通っていたが、

紗奈が1人で電車に乗るなんて危な過ぎる。
こんなにも可愛いのに今まで痴漢に遭わなかっただろうか?と急に心配になる。

「電車は悪いヤツだっているから1人では絶対乗るな。」

紗奈は怪訝な顔で、なんで今更そんな事を言うのだろうと思う。

「今まで1人で電車に乗ってましたけど、大丈夫でしたよ?
そんなに心配しなくても子供じゃないので大丈夫です。」

だから、心配してるのに。
要ははぁーと、ため息をつく。

「じゃあ。俺も一緒に電車で行く。」

えっ!結局は一緒なんだと思いながら、これ以上逆らう事も出来ず素直に頷くしかなかった。

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