クールな准教授は密かに彼女を溺愛する
紗奈との楽しい電話を終えて要は考えこむ。


紗奈にストーカー⁉︎

俺がいつも行き帰り見守ってたはずなのに何故気付かなかった⁉︎

いや、もしかすると待ち伏せされていた可能性は?
もし声を掛けるならホームよりも改札に入る前の方が好都合だ。
現に奴は紗奈を駅外に出そうとしている。

と、言う事はホームで以前紗奈を見かけて、それ以来ずっと待ち伏せしてたのか?
2人であの駅を使ったのは初日の1日だけだ。

その執念に恐怖を覚える。
紗奈を紗理奈と呼ぶのは、店の常連である事は間違いない。
この件は前島さんにお願いすれば一瞬で解決するだろう。
問題はむしろ弁護士の方だ。

紗奈を助けた田中聡と言う弁護士は、半年前にマンションの最上階にあるジムで知り合った。

今思えば、偶然ではなく必然的に合ったのか?
親か兄かどっちからか依頼され俺の身辺を探っていたのかもしれない。

今日、紗奈を助けたのだって必然的な理由からかもしれない。

とりあえず、要は前島に電話して紗奈の送迎を頼み、ストーカーの件と身辺に不審な行動をする人物がないか探ってもらおう。

前島から得た情報では、浅田法律事務所は父親の会社の顧問弁護士になっていて、田中と言う男は知らないが浅田弁護士とはゴルフ仲間だと言う。父親と接点がありそうだ。

兄もどこかで接点があるのかもしれない。

どっちにしろ、誰かが俺の身辺を勝手にコソコソ探っているのは不愉快だ。

紗奈との関係を探っているのか?

確かに道徳的には生徒に特別な感情を抱くのはいけない事だと思うが、紗奈は成人しているし、法に触れる事は一切無い。

半年前からの知り合いなら他の理由で俺の身辺を探っていたはずだ。

田中に直接聞いてみるか?
すんなり話すとは思わないが、紗奈の事を知ってるとしか思えない。
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